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平成24年9月14日(金)第145号『大学自然探訪その5』

9月も半ばに差し掛かり、ようやく秋の雰囲気が感じられるように
なりました。

すっかり秋の空になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

秋といえば「読書の秋」「行楽の秋」「芸術の秋」「スポーツの秋」など
いろいろな楽しみ方がありますが、私にとってはやはり「食欲の秋」
です!
天高く馬肥ゆる秋という言葉は皆さんご存知のことと思いますが、ま
さに馬と共にウエゾノ肥ゆる秋となることまちがいなしです。
特に私の好物は、梨、ぶどう、柿、栗、りんご、みかんなど糖分たっ
ぷりの果物と、サンマ、イワシ、サケ、サバなどの魚介類ですね。

 

秋は春と同様、様々な花が楽しめる時期でもあります。
私が一番秋を感じるのはやはりヒガンバナでしょうか。

花が咲いているときには葉っぱがありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ヒガンバナの花言葉は「情熱」「独立」「再会」「あきらめ」…
と、様々ですが、中には「悲しい思い出」というものもありました。
なんだかちょっと統一感がないような。

 

ただ、「ヒガンバナ自身」はかなり統一感があるようです。
というのも、この花は中国から伝わったとされていますが、その1株
が遺伝的に3倍体(※)であったとみられ、種で増えることができな
いのです。
したがって、日本中にあるヒガンバナは遺伝的に乗換えや組換えなどの
突然変異さえ起こさなければすべて同じ遺伝子型となるわけです。
ちなみに種ができないかわりに株分けすることで増やせます。

 

※3倍体とはゲノム(生殖細胞に含まれる染色体もしくは遺伝子全
体)を3つ持つ倍数体のことで、植物だと種子ができにくいまたはでき
なくなる特性があります。ちなみに種なしスイカはこの性質を利用して
作られています。

 

 

では、突然ですがここでみなさんにクイズです。
「秋の七草」といわれる植物がありますが、みなさんいくつわかりますか?
さぁまずは何も見ずに考えてみましょう。
七草というだけに7つありますよ。

 

ではここでヒント…
実際の花と特徴などを見てみましょう。

 

さて、いくつわかるかな。

 

①の花は、マメ科で宮崎だとかなりあちらこちらで見かけることができます。
山道に入れば必ずと言っていいほど生えているかなりポピュラーな花です。
レベル:★☆☆☆☆

②の花は…気を付けないと葉で手を切ってしまいます。これもいたるとこで
見られます。
レベル:★☆☆☆☆

③もマメ科の植物です。「○○きり」とか「○○湯とか」食用としても有名です。
レベル:★★☆☆☆

④私の実家付近では、開発によりどんどん発生場所が失われています。もう
宮崎市内では野性を見れるのは貴重かも。源氏物語の中にもでてきますよ!
「霧ふかきあしたの原のをみなへし心をよせて見る人ぞ見る」さて、
わかるでしょうか?
レベル:★★★★☆

⑤これはかなり数が減っており、環境省のレッドリストでは準絶滅危惧
(NT)種に指定されています。数年前まで私の実家付近の池の土手に
群生していたのですが、池の土手をコンクリートで塗り固められたた
め残念ながらあとかたもなくなってしましました。
レベル:★★★★★

⑥これは、明智光秀の紋所のモチーフとなった花です。万葉集の秋の
七草の中で「朝貌の花」と言われているのは、この花だといわれてい
ます。
レベル:★★★☆☆

⑦『枕草子』では、「草の花は○○○○、唐のはさらなり やまとも
めでたし」とあり、当時の貴族に親しまれていた花のようです。観葉
植物としては多く出回っていますが、私が実際に自生しているのを見
たことがあるのは、五ヶ瀬町だけです。
レベル:★★★★☆

すべて答えられた方は素晴らしいですね!
中には、名前はすべて知っているが、どんな花かは知らないという方も多
いのではないでしょうか。
この機会にぜひ覚えてみてください。

さて、恒例(?)となりました「大学自然探訪」の5回目。
今回は美しい2匹のチョウをご紹介します。

まずはこちら!

飛びながら器用に蜜を吸います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これはナミアゲハという種類です。
蜜を吸うのに夢中で、結構近づいても平気なようです。

夢中…

 

 

 

 

 

 

 

黄色と黒の模様がとてもきれいですね。
これは別の種類である「キアゲハ」によく間違えられます。
比較するとこんな感じです。

結構似てるでしょ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全く違う種類ですが、結構似ていますよね!

さて、次はこちらです。

下羽の白い帯が特徴的。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらはナガサキアゲハというチョウです。
この名前は、シーボルトが長崎で最初に採集したことに由来している
そうです。

これまた夢中…

 

 

 

 

 

 

 

今回紹介した2種類のチョウはいずれもアゲハチョウ科に属しています。
アゲハチョウはそのほとんどが春と秋の2回発生します。
したがって、これから10月初旬くらいまではたくさんのアゲハチョウを
観察することができます。
ちなみに冒頭に記載した「ヒガンバナ」はアゲハチョウがよく集まる花
なので、ヒガンバナがたくさんあるとこに行けば、もれなくアゲハチョウ
も見ることができるはずです。

さて、最後に「秋の七草クイズ」の答えを発表します。

①萩(ハギ)
②薄(ススキ)
③葛(クズ)
④女郎花(オミナエシ)
⑤藤袴(フジバカマ)
⑥桔梗(キキョウ)
⑦撫子(ナデシコ)

みなさんいくつ正解できましたか?
現在では秋の七草を家に飾るという習慣がほとんどなくなってきていますが、
機会があれば、1~2種類くらい飾ってみてはいかがでしょうか?
家の中も秋らしくなるかもしれません。

それでは来週の花金もどうぞお楽しみに。

次はハマダさんです。よろしくお願いします。